Mike Daisey was a self-described “worshipper in the cult of Mac.” Then he saw some photos from a new iPhone, taken by workers at the factory where it was made. Mike wondered: Who makes all my crap? He traveled to China to find out.
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Mr. Daisey and the Apple Factory | This American Life

先週のThis American Lifeも聴き応えたっぷりだった。モノロージスト(アメリカ版の落語というか話芸者、自分の経験したことや調べたことを面白おかしく語る芸人)で有名なマイク・デイジーが、iPhone/iPadやHTCの製造で有名なFoxconnにおける労働の実態に迫るのだ。
マイク・デイジーは長年Appleファンボーイであったのだが、昨年流出したFoxconnのiPhoneのテスト写真(上の写真:女性工員がパースで霞む程の隊列を組んでiPhoneを製造している模様が撮影されている)をみて、ある疑問を持ったそうだ。iPhoneやiPad, MacBookやiMacってロボットや自動製造機械を使って製造しているんじゃないのか?じゃあ、誰が?
そうしてデイジーは深センのFoxconnまで飛んで通訳を雇い、Foxconnの工場までいき、そこで働いている100人以上の工員(ほとんどが女性)にインタビューし、そして潜在的なUSの取引先としてニセのプロファイルを作ってFoxconnの工場まで潜入したそうだ。そのようにして体験したこととは、かなりの確度でいわゆる通俗的な「女工哀史」的な扱いが行われているらしいということ(日本の戦前の富岡製糸場に代表されるなどの女工の労働実態は全く「哀史」ではなく、むしろ女性の地位向上に役に立ったことが実証されている)。
なにせ働いている工員の年齢が低すぎる。デイジーがインタビューした工員の中には12歳から14歳が普通にいたそうだ。その実態を隠すためにFoxconnはわざと18歳や20歳の工員をラインに一人は必ずいれて、その高い年令をライン全体に従事する工員の年齢として、WHOや製造委託するメーカに報告しているそうだ。
なぜこんなことが行われているかということ、スマートフォンやタブレットや最近の薄型ノートパソコンなどは頻繁にアップグレードされること、そしてサイズが小さすぎることで、自動製造機械ではアセンブリできないからにある。基盤は半導体製造機と基盤製造機でつくりあげることができるが、ガジェットをパッケージの形で組み上げるには、結局人手により組み上げるしかなく、その労働集約率を上げることが製造側のポイントとなる。小さなガジェットを組み上げるには男の手より女性の手、それも中学生くらいの小さな女の子の手で組み上げるのが一番効率がいい。それを追求した結果、中学生や高校生くらいの女性工員がたくさんラインに投入されているらしい。
デフォルトの労働時間は8時間ではなく12時間労働で、新しいiナンチャラがでるときには16時間労働が普通になるそうだ。更には工員の年齢が低いので(先進国レベルからみると)とても低い賃金しか払っていないそうなのだが、中国全体の工員の平均賃金よりは高く設定されているという姑息な手段を利用しているそうだ。
昨年、一昨年にFoxconnの工場で自殺が10人以上連続し話題になったが、FoxconnやAppleは中国の平均自殺よりは低いので問題にならないとした。しかし、いくら国全体が自殺が多いとはいえ普通の先進国では工場での自殺なんて何年も起きないものであるので、やはりかなり異様な労働環境であることを推測させるとのこと。
This American Lifeのチームもこのデイジーのモノローグを受けファクトチェックを行ったが、どうもデイジーが経験したことはかなりの確度で行われていそうとのこと。ということで、今回のエピソードはAppleのiナンチャラガジェットやAndroidスマートフォンの影にある、女工の悲哀という論調だった。
このエピソードを聴いての僕の感想は以下のとおり。おそらく就学途中の子供が就労したり労働時間が長時間であったり過剰に労働環境が管理されたりしているのはそのとおりなのだろう。ただ、どうなんだろうか…。例えば、製造中に怪我をしたという理由で突然なんの保障もなくFoxconnを辞めさせられた工員の話題が最後の方に出ていたが、彼はFoxconnを訴えるというよりはFoxconnに再雇用を求める運動をしているそうだ。どうもFoxconnは自分にとってチャンスであり、依然としてFoxconnで働きたいという要望を持っているみたいだ。先進国の人道的な8時間労働の徹底と福祉の融合というのは、いかにも当たり前の人権として我々の社会では取り扱われるが、そもそもそういう前提やアイディアにない環境においては、失業しているより、田舎で学校に通わせてもらえず家庭内労働や伝統的な家業に縛り付けられているより、労働はそれなりに単調でキツイのだろうが、むしろFoxconnで働いている労働者の多くは自分の可能性を広げる働き口の一つとして積極的にFoxconnでの労働を選んでいるような気がするのも事実である。
USだってUKだって19世紀・20世紀初頭には年端の行かない年少者の工場労働は当たり前で、むしろ都市に出ることで自分のチャンスを広げたというエピソードに事欠かない。Foxconnにはそれなりのダーティな実態はあるのだろうけれど、貧しかった時代の日本の自分の祖母や祖父などのアネクドートなどと照らしあわせても、Foxconnの労働者は、現代版の奴隷としてよりは、自分の労働者としての可能性をもっと積極的に選択していることのほうが整合的だと感じたな。
(via
kashino)
Notes